就職活動を始めようと思ったものの、「やりたいことがまだ定まっていない」「企業研究ってどうすればいいの?」といった悩みを抱えている大学生は多いですよね。
そんなときに頼りになる存在として挙げられるのが新卒エージェントですが、「新卒エージェント 闇」というワードを聞いたことはありませんか?なかには「紹介してもらえる求人が少ない」「担当者の質が微妙」「利用したけれど後悔した」という声も耳にします。いったい何が闇なのでしょうか。
この記事では、新卒エージェントが「闇深い」と言われる理由と、上手に利用するためのポイントをわかりやすく解説していきます。
新卒エージェントが闇深いと言われる理由
新卒エージェントは就職活動の心強い味方と思われがちですが、実際には「闇が深い」「あまり役に立たない」といった声も少なくありません。
ここでは新卒エージェントが闇深いと言われがちな代表的な理由を挙げ、その背景を解説していきます。
紹介求人に人気の企業が少ない
「どうせなら誰もが知っているような有名企業を受けたい」という思いがある人にとって、新卒エージェントで紹介される求人が期待外れに感じることは少なくありません。
新卒エージェントは、企業から“成功報酬”を得るビジネスモデルを取っているため、あまり広く募集を行わずに特定のエージェントと契約している企業を中心に紹介するケースが多い傾向にあります。すると、知名度が高く学生からの人気が集中しやすい大手企業や有名企業は、独自の採用ルートを持っていることが多いため、エージェント経由での求人が限られてしまいがちです。
また、エージェントは企業と学生のミスマッチを最小限にするために、“なるべく内定が出やすい企業”を優先して提案することもあります。
結果として、紹介してもらえる企業が中小やベンチャー企業に偏る場合があり、大手や有名企業を望む学生にとっては「人気企業が少ない」と感じられるのです。
学歴や経験にあった企業しか紹介されない
新卒エージェントは企業からのオーダー(ターゲットとなる学生の学歴・専攻・スキルなど)をもとに求人を紹介することが一般的です。
そのため、学生の学歴や経験が企業の要望から外れていると、そもそも紹介される企業が限られてしまいます。自分では「挑戦してみたい」「今は未経験だけど、ここで成長したい」と考えていてもエージェント側が「この学生では内定がもらえなさそう」と判断すれば紹介すらされないこともあるのが現状です。
これは「闇深い」というよりもエージェントとしては成功報酬を得るために、より内定獲得の可能性が高い求人を案内するビジネス上の都合があります。その結果学生にとっては“本当に行きたい業界や企業にチャレンジする前に道を塞がれてしまった”と感じやすく、「新卒エージェントが闇深い」と言われる一因になっています。
担当者の質が低いと無駄な時間になる
エージェントの担当者は、就活市場に精通しているプロのキャリアアドバイザーが多い反面、すべての担当者が同じレベルとは限りません。なかには就活事情について詳しくない新人スタッフが担当になったり、またはあまり相性がよくない担当者が割り当てられたりすることもあり得ます。
担当者の質が低いと自己分析や企業分析のアドバイスが的確でなかったり、スケジュール調整が雑だったりと、就活生に不利益が生じるリスクが高まります。
結果として、限られた就活期間を無駄に過ごしてしまう恐れも。学業やアルバイトと両立しながら就職活動を進めている学生にとっては、貴重な時間を無駄にするのは大きな痛手となるでしょう。
こういった体験が「利用しても意味がなかった」「新卒エージェントは闇だ」というマイナスイメージにつながります。
通常応募の就活生よりも選考が不利になりやすい
新卒エージェントを利用する場合、企業によっては通常応募の学生よりも優先度が下がる場合があります。なぜなら企業にとってエージェント経由の採用は、成功報酬の支払いが発生するため、コストが高くなりがちだからです。
そのため同じ学生でも「エージェント経由の応募」と「直接応募」で評価や優先度が変わるケースも残念ながら存在します。
またエージェントを通して応募すると企業側が先にエージェント担当者に状況確認を行うケースがあり、やり取りがワンクッション多くなってしまうため、連絡が遅れたり、面接調整に時間がかかったりする可能性もあります。
こうした時間的ロスや企業側のコスト意識が、“新卒エージェント利用”を不利にすることもあるのです。結果として「エージェントから応募したら、なかなか書類選考が通らなかった」「通常応募しておけばよかった」という声が出る場合もあり、それが「闇深い」と言われる理由の一つになっています。
恩義を感じて求人や内定先を断りづらくなる
新卒エージェントを利用すると、担当者と面談を重ねるうちに「一緒に頑張って就活を乗り切ろう」といった連帯感が芽生えることがあります。その結果、「こんなに手厚くサポートしてくれているのに、紹介された求人を断るのは申し訳ない…」という心理が働いてしまうこともしばしばです。
特に、初めて就活をする学生にとっては、大人からのサポートに感謝の気持ちを強く抱くため、“恩義”を感じやすいのです。
しかし、その“恩義”が逆に就活生の選択肢を狭めてしまい、“本当に行きたい企業”よりも“エージェントに紹介された企業”を優先してしまうケースも見受けられます。
結果的にミスマッチのリスクが高まるだけでなく、「自分の意志ではなく、流れで就活を終えてしまった」という後悔につながることも。そのようなケースを耳にした就活生が「新卒エージェントは利用しないほうがいいのでは」と思ってしまうのも無理はありません。
新卒エージェントのビジネスモデルを紹介
新卒エージェントが「闇深い」と言われる背景には、そのビジネスモデルの特性が大きく影響しています。新卒エージェントは、就職を目指す学生には無料でサービスを提供し、その代わりに企業から「成功報酬」を受け取る仕組みです。
つまり、エージェント側としては“学生が内定を得る”ことが収益につながるため、内定獲得の可能性が高い企業を優先的に紹介するモチベーションが強い傾向にあります。
また、成功報酬の金額は学生の初年度年収の何割というように設定されていることが多いため、なるべく早く内定が出やすい、かつ年収が比較的高い企業に学生を送りたいと考えるエージェントも少なくありません。こうしたインセンティブ構造によって、学生が希望する業界や企業のニーズを完全に尊重できない場合があり、結果として「エージェントが押し付けてくる求人に乗せられてしまった」「本来は行きたい企業ではなかった」というミスマッチが起こってしまうわけです。
ビジネスモデルを理解すれば、なぜ新卒エージェントが闇深いと言われるのか、少し冷静に判断できるようになるでしょう。
新卒エージェントを利用するべき人の特徴
「闇深い」と言われがちな新卒エージェントですが、すべてが悪いわけではありません。利用することによって得られるメリットも多く存在します。
ここでは新卒エージェントを利用するのに向いている人の特徴をまとめます。
ブラック企業を自分では見極められない人
初めての就職活動では、企業の表面的な情報や求人票だけを見て、「よさそうな会社だな」と感じるかもしれません。
しかし実際には労働環境が劣悪だったり、経営体制が不安定だったりする、いわゆるブラック企業も存在します。
自分ひとりで情報収集をしていても、ネット上の口コミや企業ホームページの情報だけではブラック企業かどうかを見分けるのは難しいものです。
そんなときに新卒エージェントが持つ企業の“内部情報”や“過去の内定者の働きぶり”などのデータは大きな助けになります。エージェントが企業と直接やり取りしているケースも多いため、求人票には書かれていない残業の実態や離職率などを教えてもらえることがあります。
自分では判断がつきにくい“危険な会社”を避けるためには、エージェントの知識やネットワークを活用するのも一つの手段と言えるでしょう。
プロのアドバイスをもらいたい人
自己分析や企業研究、エントリーシート(ES)の書き方から面接対策に至るまで、就職活動にはさまざまな準備が必要です。
しかしなにから始めればいいのかわからなかったり、アピールポイントがうまくまとまらなかったりして、漠然とした不安を抱える学生は多いですよね。そんなときに頼りになるのが、新卒エージェントのキャリアアドバイザーです。
彼らは多くの就活生や企業を見てきているため、「採用担当者はここを見ている」「面接の際はこういった回答が好まれる」といった生きた情報を持っています。
またエントリーシートの添削サービスや模擬面接などを無料で受けられるエージェントもあるため、特に就活経験のない大学生にとっては、強力な支えとなるでしょう。
自分では気づかなかった長所を引き出してもらい、書類や面接でアピールできるようにすることができるのはプロならではのメリットです。
1人で就職活動を進めるのが不安
就職活動を進めるうえで、友達や先輩に相談することはできても、どこまで詳しくアドバイスをしてもらえるかは相手次第です。
特に周囲に就活中の友達が少ない場合や、一人暮らしで親と離れている学生にとっては、孤独を感じながら活動しなければならないケースもあるでしょう。
そんなときに新卒エージェントを活用すれば、いつでも就活の悩みを相談できる「味方」を得ることができます。
企業の選び方や面接の立ち振る舞いなど、就活に関するあらゆる質問や疑問に、エージェントの担当者が一緒になって考えてくれます。就活だけでなく、大学の勉強やアルバイトとの両立、スケジュール管理のコツなど、実務的なアドバイスをくれる場合もあるでしょう。
一人で考えているだけでは堂々巡りになりがちな悩みも、誰かに相談することで解決策が見えてくることがあります。「とにかく不安を抱えている」という人ほど、エージェントのサポートは大いに役立つはずです。
まだ内定を1社も持っていない
同級生のなかには、早い段階でインターン先から内定をもらったり、大手企業の早期選考で内定をゲットしたりしている人もいるかもしれません。そんな状況を目の当たりにすると、「自分はまだ内定がない…どうしよう」と焦りを感じることもあるでしょう。
焦るあまり、企業研究が疎かになり、「どんな会社でもいいから内定がほしい」と短絡的に動いてしまうケースもあります。
新卒エージェントを利用すれば、内定獲得に至りやすい企業の求人を複数提案してもらえたり、エージェントによってはスピード選考をしている企業を紹介してくれたりすることもあるため、早期に結果を出したい人には心強い存在になります。
またエージェント担当者との面談を通して、自分の希望条件を整理しながら企業を探していけるのもメリットです。短期決戦で内定を確保しつつ、最低限のミスマッチを避けるためにも、エージェントのサポートは選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
企業ごとにESを1枚ずつ出すのが面倒
大手就活サイトを使って大量の企業にエントリーするのも手ですが、その分エントリーシートの提出や管理が煩雑になりがちです。企業ごとに求める人物像や書き方のクセが異なるため、同じ内容をコピペしていては書類選考で落ちてしまうことも。
とはいえ一つひとつの企業についてしっかり調べて書類を作成するのは、とても手間と時間がかかります。
新卒エージェントを活用すれば、エージェントがあらかじめ企業に学生を推薦してくれるため、書類準備のハードルが下がるケースがあります。
もちろん、エントリーシートや履歴書は必要ですが、エージェントがフォーマットを用意していたり、1通のESで複数の企業にエントリーできるようになっていたりすることもあるのです。
書類作成の負担を軽減しながら、少しでもラクに就活を進めたい人には大きなメリットだと言えるでしょう。
闇のある就活エージェントを避けるためのポイント
新卒エージェントを利用する際には、「闇が深い」と言われるエージェントに当たってしまわないように注意が必要です。ここでは信頼できるエージェントを見極めるためのポイントを紹介します。
大手の就活エージェントを利用する
最初から知名度が高く、実績のある大手エージェントを選ぶのは、闇を避ける大きな方法の一つです。大手エージェントは、多くの企業との取引実績があり、求人の質や量も豊富な傾向があります。
さらに人材教育の仕組みが整っていることが多いため、キャリアアドバイザーや担当者の質も比較的安定しています。
もちろん、大手だからといって100%安心というわけではありませんが、社内にノウハウが蓄積されているため、就活生に対するサポート体制も充実しやすいのです。
また大手ならではの認知度がある分、企業の採用担当者も「このエージェントならある程度信頼できるだろう」と考えるケースが多く、推薦状を書いてもらう際の印象も高まりやすいというメリットがあります。安心して利用するためにも、まずは大手を中心に検討することをおすすめします。
保有している求人数を確認する
就活エージェントを選ぶ際には、そのエージェントが保有する求人の数や種類を事前にチェックすることが重要です。なぜなら求人数が少ないエージェントだと、どうしても紹介できる企業の幅が狭くなり、自分の希望や適性に合った企業を見つけにくい可能性が高まるからです。
特定の業界や職種に強いエージェントは、そこでは多くの求人を保有していてもほかの業界には弱いこともあります。
また、求人数だけでなく大手企業の求人がどのくらいあるのか、ベンチャーや中小企業の求人がどのくらいあるのか、といったバランスも見極めポイントの一つです。
自分の志望先が大手なのか、ベンチャーなのかによって、相性の良いエージェントは異なる可能性があります。できる限り自分の希望に合う企業の求人を幅広く扱っているエージェントを選ぶことで、ミスマッチや闇に巻き込まれるリスクを減らすことができるでしょう。
複数の就活エージェントを併用する
ひとつのエージェントだけに絞って就活を進めてしまうと、情報が偏ったり、担当者との相性が合わなかったりしたときに軌道修正が難しくなりがちです。
そこでおすすめなのが複数の就活エージェントを併用する方法です。エージェントごとに扱っている企業や得意としている業界が違うので、より多様な選択肢を得ることができます。
また、複数のエージェントを利用していると、同じ企業に応募する際でもエージェントによって推薦文の内容が変わったり、選考ルートや日程調整がスムーズになる場合もあります。
さらに、担当者からのアドバイスもそれぞれ異なるため、客観的に見た自己分析や面接対策を吸収しやすくなるでしょう。ただし、あまりにも多くのエージェントを利用するとスケジュール管理が煩雑になるので、2~3社程度に留めておくのがおすすめです。
就活エージェント以外に頼れる人を見つけておく
就活エージェントのサポートは心強いですが、エージェント以外にもアドバイスをもらえる人を見つけておくことが大切です。
たとえば、大学のキャリアセンターやゼミの教授、就職活動を終えたばかりの先輩など、さまざまな角度から意見を聞くことで、情報の偏りを減らすことができます。
エージェント側にはどうしてもビジネス上の都合があり、あなたに合った企業だけでなく、“自社が契約している企業”を優先して紹介しがちです。
しかし、学校関係者や先輩たちは、直接的な金銭的利益があるわけではないため、よりフラットな目線からアドバイスしてくれるでしょう。
複数の情報源を持つことで、エージェントの紹介やアドバイスがどの程度正確なのかを照らし合わせることができ、結果として“闇”に巻き込まれにくくなります。
エージェントや担当者が合わないと感じたらすぐに変更する
「最初に割り当てられた担当者は、なんだか頼りない…」「エージェントのアドバイスが自分の考えと違いすぎる」など、少しでも違和感や不安を覚えたら、我慢せずに担当者を変えてもらう、あるいはエージェント自体を乗り換えることを検討しましょう。
エージェントは決して“絶対に忠実に従わなければいけない存在”ではなく、就活をスムーズに進めるための一つのツールです。
とはいえ、担当者を変えるときに「失礼なんじゃないか」とためらう人もいますが、エージェント側も“担当者との相性”は重要だと理解しています。
無理をして合わない担当者と進めるよりは、素直に変えてもらったほうが、結果的に双方にとってストレスが減り、就活がうまくいきやすくなるでしょう。エージェントや担当者を選ぶ自由は就活生側にもあるということを、しっかりと認識しておきましょう。
おすすめの新卒エージェント
ここからは、大学生に特におすすめの就職相談サービスをご紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったサービスを選んでください。
担当者からのアドバイスもそれぞれ異なるため、客観的な自己分析や面接対策を効率的に進めるためにまずは2~3社程度に留めておくのがおすすめです。
キャリアチケット
キャリアチケットは、新卒向けの就職エージェントサービスです。自己分析から企業紹介、面接対策まで、一貫したサポートを提供しています。
特に、専任のカウンセラーが一人ひとりの適性や希望に合わせて企業を紹介してくれる点が魅力です。また、面接のフィードバックも丁寧で、次回に活かせる具体的なアドバイスがもらえます。
新卒エージェント UZUZ
新卒エージェント UZUZは、既卒や第二新卒に特化したエージェントですが、大学生のサポートも行っています。
独自の研修プログラムを提供しており、ビジネスマナーや業界知識を身につけることができます。また、キャリアカウンセラーが親身になって相談に乗ってくれるので、初めての就活でも安心です。
キャリアパーク
キャリアパークは、就活生向けの情報サイトでありながら、エージェントサービスも提供しています。豊富な企業情報や就活ノウハウが掲載されており、自己学習に役立ちます。
さらにイベントやセミナーも頻繁に開催しており、実践的なスキルを身につける機会が多いのも特徴です。
まとめ
新卒エージェントは「闇が深い」という評判ばかりがクローズアップされる一方で、上手に使いこなせば大きなメリットを得られるサービスでもあります。
- ビジネスモデルを理解しつつ、自分に合った活用法を見極めること
- 担当者の質や紹介求人の内容をしっかりチェックすること
- 大手エージェントや複数エージェントの利用で情報を偏らせないこと
これらを意識すれば、“闇”に巻き込まれずに就活を進めることができます。自分で情報を集めるのが苦手な人や、悩みを抱えやすい人にとって、エージェントは心強いパートナーとなるはずです。
まずは信頼できそうなサービスから試し、合わないと感じたらすぐに変更するなど、柔軟に行動して就職活動を成功へと導きましょう。
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